更新日:2015.08.21
執 筆:整体師 佐藤優
人の感情にはそれぞれ役割があります。
大切な人を亡くしたとき、我々は悲しみを抱きます。
悲しみに暮れている状態の時は、気分が強く落ち込み、エネルギーも必要最低限のことにしか注げなくなります。
このような時、悲しみは「しばらく休養が必要ですよ」ということを教えてくれます。
また、怒りは「自分が何者かによって不利にさらされているぞ、身を守れ!」ということを教えてくれます。
そして、悲しみや怒りと同じように、不安にも役割があります。
不安は、自分の安全が確保されていないときに抱く感情です。
みなさんは真夜中の街頭もない、真っ暗で何も見えない、知らない道を歩くとき、慎重に警戒しながら進むのではないでしょうか。
周りに何があるのか、この先はどうなっているのか。
我々は、こうした未知のものに対して不安を抱きます。
不安を感じることによって、自分を守り、安全を確保しようと慎重になるのです。
不安なんか無くなればいいのに...、とつい考えてしまいがちですが、不安には「安全を確保せよ!」という役割があるので、いかにこの不安を活かしていくかということが重要になってきます。
適度な不安は役割を発揮して、より安全を確保していくことができます。
しかし、不安が度を過ぎて強くなり、治療が必要になってしまう状態を不安障害といいます。
不安障害には、
があります。
パニック障害とは、突然、
などが出てくる症状です。
パニック発作は徐々に強まっていき、およそ10分~15分で治まります。
また、パニック発作が一度おきただけでは、パニック障害とはいいません。
1回のパニック発作後、
これら3つを満たすとき、パニック障害といいます。
全般性不安障害は、「理由のない心配」をしてしまうことです。
ちゃんと論理的に説明をしても、安心を感じることがない。
起こりえないことや、どうにもならないことを不安に感じ、その不安をやめることができないのです。
診断基準として、
などが出てくる症状です。
6か月の内、以上のことが起こってしまった日が半数以上で全般性不安障害と診断されます。
社交性不安障害は、「人前に出ることの恐怖」が特徴です。
発症のピークは若年期で、11~15歳・18~25歳。
この時期の身体的変化・男女関係の複雑化・学校卒業後の自立、などの変化が原因の多くを占めます。
社交不安には2つのタイプがあります。
1つは、特定のものの社交不安でスピーチ恐怖やステージ恐怖などの「パフォーマンス不安」。
もう1つは、広い範囲の人がいる様々な社交場面で引き起こる「全般性社交不安」です。
強迫性障害は、「~したらどうしよう・~なのではないか」という強迫観念にさいなまれるのが特徴です。
日常が強迫観念に振り回されて生活の大部分が支配されてしまいます。
強迫観念に多くみられるのは、手洗いと確認です。
手洗いをしても、その後、ばい菌などがついていないかと何度も確認して、また手洗いを繰り返すのです。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、過去のトラウマ(心の傷)が原因で、心に大きな後遺症が残ってしまった状態です。
例えば、大地震の後遺症で、地震がトラウマになってしまうなどです。
これらの症状が1か月続くと心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されます。
このページでは、不安障害の種類についてお伝えしました。