2019年10月開催 心と体の勉強会 音声テキスト No.3
ついでに、不安についてお話します。実は「不安」というのも、悪いことではないんですね。
みんな不安になります。「不安になる人は?」と聞かれたら僕も手を挙げます。
だから、不安はゼロにはならないというのがまず大事で、大前提です。
ただ、いつも不安だと困ってしまいますね。
じゃあ、不安というのは何が起きているのかと言うと…不安というのは、「○○になったらどうしよう」という感じですよね、だいたい。
「○○になったらどうしよう」ということは、「○○に対応できない」からどうしようと思っちゃうわけですね。
この「○○」というのは、結局最初に言った「刺激」なんです。
刺激というのは「ストレス」と言い換えても良いです。
だから「○○」というのは自分にとってストレスなんですね。
じゃあ、「ストレスに強い人」ってどんな人でしょう?
簡単にひとことで、そして自律神経を踏まえて言うと、「ストレスに強い人」というのは、「交感神経が働く人」なんです。
自律神経には交感神経と副交感神経がありますよね。
交感神経は、脳や体を働かせる神経。
副交感神経は、脳や体を休ませて回復させる神経です。
ストレスがあるときはどうでしょう…ストレスは簡単に言うと「生命の危機」です。
生命の危機のときにリラックスしていたら、もっと危機になっちゃいますね。
ライオンが側にいると思ってください。リラックスしていたらガブっと噛まれちゃう。
だから脳や体を活性化させて、ライオンから逃げるのか、ライオンと戦うのかということをするわけですね。
なので、ストレスに対処するには交感神経を活性化させるんですけども、活性化させる度合いが強ければ強いほど、ストレスに強いんです。
ストレスが10なら、交感神経が10働けば、問題ないんです。
ストレスが3なら、交感神経が3働けば、問題ないんです。
「不安になる人」というのは簡単に言うと、このストレスに対処できないということだから、体がわかっているんです、交感神経が3しか、少ししか働けないということを。
なので、10のストレスになるかもしれないということを感じて、そのための対処を今のうちから準備しようと、心の準備をしようとか、いろいろやっていくんです。
だからこの不安は良いことでもあるんですけど、実際に生活していたら困っちゃいますよね。
つまり交感神経が働かないんだから、働くようにしてあげればいいんです。じゃあどうするの、という話になりますね。
ここで、さっきの「思考」「感情」「動き」を、全部交感神経寄りにしてあげる。
例えば「動き」というのは、活発に動けば交感神経が活性化します、嫌でも。
だから「運動してくださいね」という話になるんです。歩いてくださいとか、大声出すというのもそうです。
交感神経が高まるんですね。
じゃあ「感情」って何というと、感情で交感神経が高まるというのは、「喜び」であったり「怒り」なんですね。
ものすごく喜んだことってありますか?
こないだラグビーを観ていて、「イエーイ!予選突破だぜ!」みたいな、テレビではものすごく大騒ぎしている人たちを映しますよね。
僕は新大阪に行くときに、新横浜駅を使うので、近くに競技場があるんですね。
サポーターでいっぱいの時があるんですけど、日本ではあまり考えられないんですけど、電車の中で歌うんですよ。
祖国の国歌みたいなのを。外人さんたちが。
それだけ喜ぶわけですよ。
電車の中で歌うなんてやったことないですよね。相当酔っぱらっててもなかなか日本じゃできないですけども。
ああやって喜びを思いっきり表すということが、感情を交感神経寄りにしてくれるんです。
そうすると交感神経が高まりやすくなりますね。
たくさん歩けば、どんどん歩けるようになりますよね。歩かなかったら、どんどん歩けなくなっちゃう。
同じように、ものすごい喜びを表現していたら交感神経が活性化するので、交感神経が活性化しやすくなる。
例えばものすごい怒りを感じた時に、「怒髪天を衝く」みたいな、髪の毛逆立てて顔を真っ赤にしながら何かに対して怒ったことがありますか?
そういうことをやっていれば交感神経が上がるんです。
「動く」というのは体を動かすわけです。
例えばさっきの外人さんたちは、周りの人と肩を組みながら歌っていて、体を動かしているんですね、大声を出して。
だから感情も動きも交感神経なんですね。
歌というのは言葉なので「思考」なんですね。
「やったー」とかそういうのも言葉。言葉って思考によって出てくるので。
そうやって全部が交感神経になると、交感神経が活性化しやすくなって、ストレスに抵抗しやすくなるんです。
ストレスに強くなる。
そうすると、不安というのはだんだん減ってくるわけです。
僕がみてきた「不安でしょうがない」という人たちは、全員交感神経の機能が低下している。
なので「運動してください」ということなんですけど、運動だけだと「動き」だけなので、「思考」も「感情」も使って。
だから、感情、喜びとか怒りとかそういうものをちゃんと外に出す。
誰かが怒っているところを見て、気持ちよくなったことはありますか?
あれはいわゆる「投影」といって、自分が怒りたいエネルギーを相手の人に投影して、あたかも自分がやっているかのように思う。
体は動かしていないんだけど、感情が一緒になるんですね。それでもいいです。
だから、演劇とか、映画とか、そういう感情を揺さぶられるものというのもものすごく良いんですけど。
それで体も動かせれば最高に良いんですけども、ちょっとでも感情の交感神経を活性化させるというので、映画でも本でも、ドラマでもなんでもいいです。
そういうもので、自分が一緒になって感情が高まればすごく良いです。
こういった感じで交感神経を高めていけば、不安というのは減っていくわけですね。