更新日:2019.11.01
執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人
本日は炎症と自律神経の関係についてお話しします。
お腹が痛い?それは炎症かも?
○○炎と書かれている「炎」は炎症を表しています。
多くの場合これに「××性」という言葉もついて病名になります。
例えば「過敏性大腸炎」もその1つです。
結論からお伝えしますと、これらの炎症は自律神経が乱れることで起こりやすくなります。
そのため、今回はそのメカニズムや対策をお伝えしていきます。
では、まずは炎症に付いて分かりやすくご説明いたします。
炎症が起きていると、その場所に下記の5つのサインがあります。
この中で、特に困るのが「痛み」と「機能の低下」です。
「機能の低下」という言葉は聞きなれないと思いますので、ご説明いたします。
例えば胃炎の場合、胃の機能が低下することになります。
胃の機能とは...
この2つが分かりやすいでしょう。
これらの機能が低下すると、消化不良が起こります。
すると...
栄養も取りにくくなりますし、お腹もすきにくくなります。
機能が低下すると困る
つまり、炎症があると...
赤くなったり、はれたり、熱くなるのは我慢しやすいですが、痛みは不快ですし、機能の低下は日常生活に支障がでます。
では、なぜ炎症が起こるのでしょうか。
理由は色々とあります。
現代医療的に言うと...
この2点になります。
一方、自律神経的に炎症の原因をお伝えしますと...
この1点になります。
なぜ交感神経が過剰に緊張すると炎症が起きるかというと、炎症を起こす物質が体内に放出されるからです。
炎症を起こす物質は下記の2つです。
ではこの2つをそれぞれご説明しましょう。
顆粒球は免疫系の働きをします。
具体的には菌を攻撃します。
この顆粒球は交感神経と連動して増えていきます。
そのため、交感神経が過剰に働くと顆粒球が異常に増えます。
【参考サイト】(PDF)
ストレス反応とストレスコントロール
九州栄養福祉大学・東筑紫短期大学講師 中村 吉男 著 16ページ
すると増えた顆粒球は菌だけではなく、自分自身の細胞にも攻撃してしまうのです。
そしてそこが炎症を起こしてしまいます。
例えば、口内炎がその典型です。
あの白くなって痛みがあるところは、顆粒球によって攻撃されたところなのです。
サイトカインは炎症物質の1つなのですが、通常、サイトカインが体内に増えると、迷走神経という神経がそれを察知しサイトカインの放出を止め炎症が治まります。
しかし、ここで問題が起こります。
迷走神経は副交感神経の働きをする神経です。
交感神経と副交感神経は交互に働くことになっており、交感神経の方が優先して働くようになっています。
そのため、交感神経が働いてしまうと迷走神経が働けず、サイトカインの放出が止められません。
こうして炎症が治まらなくなるのです。
このように炎症を自律神経的にみると、交感神経の過剰の働きによって起こることが分かります。
では、炎症の対策はどうすればいいのでしょうか?
それは、ストレスから逃れることです。
ストレスがかかると交感神経が過剰に働いてしまいますので、ストレスから遠ざかることが大事です。
これは、薬を使うよりも重要なことになります。
これが「安静」な状態です。
ストレスから離れましょう
お医者さんに行くと「安静にして下さい」と言われることがあると思いますが、それは「ストレスから離れて下さい」ということなのです。
ストレスについては、「うつの原因を徹底解明!4つのストレス」で詳しくお話しています。
気になる方はご覧ください。