更新日:2019.11.29
執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人
さて、今回のお題は「頻繁の尿意と便意」です。
こんな症状に悩む方も、自律神経の働きが乱れている可能性が大きいです。
トイレが近いと言う悩みは...
尿も便も膀胱や大腸という袋で溜められます。
これらの袋は、中身が溜まってくると縮もうとする働きがあります。
これが正常の尿意や便意です。
自律神経の働きが乱れると、尿も便も溜まっていないのに膀胱や大腸が縮もうとしてしまうのです。
通常、ストレスがかかったときは尿意も便意も起きません。
なぜなら、元々ストレスというのは生命の危機を感じている状態であり、本来なら、走って逃げたり闘ったりする必要があるからです。
こんなときに、尿意や便意を感じたら逃げにくいし闘いにくいですよね。
そのため、本来ならこのような場面で頻繁に尿意や便意を感じる事はありません。
むしろ感じにくくなります。
ですが、緊張して尿意を感じるというのは、よく言われることですよね。
そのような経験をされた方もいると思います。
この違いは何なのでしょうか?
実はストレスの質と量の問題なのです。
それがとても強かったり、弱くても長期間続いていると、頻繁に尿意や便意を感じることがあります。
これはストレスの強さによって働く神経が違うことから起きてきます。
ストレスの質と量でトイレが近くなる
少し専門的になりますが...日常に起こるストレスは、交感神経が活性化します。
これは、先ほどお伝えした「生命の危機」を感じ始めたときです。
そのため、闘うか逃げるかの反応をします。
尿意や便意は感じませんが、血圧が上がったり胃腸が動きにくくなるので、食欲が低下したりします。
しかし、日常的でない大きなストレスや日常的なストレスでも長期間続くと、交感神経ではなく、迷走神経背側運動神経という神経が働きます。
この神経は、胃腸を動かす神経でもありますので、胃腸が過剰に動いてしまうのです。
すると、膀胱や大腸に尿や便が溜まっていなくても縮まってしまい尿意や便意を感じてしまうのですね。
そのため、尿意や便意が頻繁にある場合は、いつもより大きなストレスを抱えているか、長期間抱えている状態だと思った方が良いでしょう。
対策は、意外にも「運動と休養」を繰り返すことです。
運動と休養を繰り返すことでストレス耐性が上がり、大きなストレスや長期間のストレスでも交感神経で対応できるようになり、尿意や便意は正常な状態になります。
ちなみに、下痢による頻繁な便意はこれに当たりません。
下痢は菌やその他の理由で便を外に出そうとしているだけですので、出し終われば終わります。