幸せになろう!

更新日:2020.11.20

執 筆:整体師 角道征史

先月のブログでは、脳の構造について、脳幹(体の脳)・大脳辺縁系(心の脳)・新皮質(頭の脳)と三層構造になっているというお話をしました。

深層から順に体・心・頭となっているため、土台部分の体がしっかりしていないと、 簡単に崩れてしまうということでした。

こうした土台のもとで、人は欲求を満たしていきます。

ところが、欲求が満たされたにもかかわらず、満足できずに足掻いている人が驚くほどたくさんいます。
なぜそんなことになっているのでしょうか?
このことを幸せという観点からみていきましょう。
決して宗教の勧誘ではありませんよ。

脳の構造と欲求段階

脳幹が司っているのは体であり、生命活動であるため、生理的な欲求や、安全の欲求に対応しています。

辺縁系が司っているのは心であり、情動であるため、社会的欲求や承認欲求に対応しています。

新皮質が司っているのは頭であり、思考であるため、自己実現の欲求に対応しています。

こうした欲求が満たされることによって、それに対応したホルモンの分泌が促されます。
このホルモンによって、人は幸福を感じることができるのです。

幸せのホルモン

幸せを感じられるホルモンには、次のようなものがあります。

  1. セロトニン
    安心のホルモンと呼ばれます。調節のホルモンでもあります。
    日の光を浴びる・咀嚼やダンス、ウォーキングなどのリズム運動・泣くことなどによって分泌されます。
  2. オキシトシン
    愛情ホルモンです。
    パートナー、友達、家族、動物とのふれあい・マッサージなどの皮膚的コンタクト・感動すること・ 親切にすることなどによって分泌されます。
  3. ドーパミン
    報酬のホルモンですね。
    目標の達成・新しいことをする・好きな音楽を聴く・笑うこと・軽い運動などで分泌されます。
    快感を得られるため、それを求め続けて、タバコやギャンブルなどの依存症になってしまうこともあります。

体の欲求が満たされることによって、セロトニンが分泌されます。
心の欲求が満たされることによって、オキシトシンが分泌されます。
頭の欲求が満たされることによって、ドーパミンが分泌されます。

こうしたホルモンの分泌によって、人は幸せを感じることができるのですね。

しかしながら、それぞれの欲求を部分的に満たすことによって一時的に幸せを感じられたとしても、それだけではその幸福感は長続きしません。
満たされたはずなのにどこか空虚だったり、満たされたはずなのに満足できず、次から次へと追い求めてしまうようになったりします。

その原因は、土台が満たされていないことにあります。

幸せの実現に必要なこと

ギャンブルや買い物、趣味や仕事などによってドーパミンを出すことができれば、幸せを感じることができます。
しかし、体が不調だったり、常に不安を感じていたり、イライラしていたりするのに、本当に幸福感を得ることができるでしょうか?

体が健康で命が守られているからこそ、セロトニンが分泌されて安心感を得られるのです。

自分という存在が他人から必要とされ、受け入れられているから、オキシトシンが分泌され、心が満たされるのです。

体と心が満たされているから、自己実現をするとドーパミンが分泌され、満足できるのです。

外に出て体を動かすことでセロトニンを。
人とのつながりによってオキシトシンを。
したいことの実現によってドーパミンを。

体と心と頭を満たして、幸せな人生にしていきましょう。


うつ・自律神経

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