更新日:2019.12.24
執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人
今回はちょっと変わった話をします。
若いころ、あるいは今でも「夢」を持つことがいいように言われます。
夢ってないといけないの?
インターネットで検索してみると、こんな言葉が並んでいました。
まるで夢がないといけないみたいです。
私の考えでは、夢はあってもいいのですがなくても何も問題はありませんし、夢がなくても幸せになれます。
犬や猫は、夢なんて持ってないですが、幸せそうにボールを追いかけています。
幸せに重要なのは、夢ではなくて「今を生きること」です。
犬や猫はこれがうまいのです。
将来を思い悩んだり、過去を悔んだりしていません。
(私は犬や猫ではないので真意は分かりません。
ひょっとしたらしているのかもしれませんが、そうは見えませんよね)
今を一生懸命生きています。
食べたい時は必死に食べ、ボールを追いかけたい時は必死に追いかける。
何もしたくない時は、意地でも何もしない。
犬や猫を見ているとそんな風に見えます。
一方、私を含め多くの人間は、今を生きつつも将来や過去も生きています。
将来が心配なら、心配ないように必死に対策をとればいいのですが、それをやってもやはり心配してしまいます。
それをやっても心配してしまうので、「だったらやってもやらなくても同じ」と無意識に感じてしまい、そのうちやる気が起きなくなってきてしまうのです。
昔の失敗を悔むならばそれを今に活かし、今の自分の行動を改めることが重要です。
しかし、改めても人間なので、やはり何回かに一回は失敗してしまいます。
すると、昔の失敗を思い出して「また失敗した」と落ち込んでしまう。
今の失敗だけでなく、昔の失敗まで引きずり出してきて落ち込んでしまいます。
犬だってボールが取れない時があります。
猫だって飛び移るのに失敗し、落ちることもあります。
「またボールが取れなかった...」
「また飛び移れなかった...」
というように、昔の失敗を引きずり出してはきません。
彼らは今を生きています。幸せそうに生きています。
逆に言うと...
今を生きていないので夢を必要としているのです。
夢があれば、いつか夢が達成できるかもしれないと思い、将来の不安や過去の悔やみのストレスが薄れます。
現在夢があり、将来の不安や過去の悔やみのストレスが薄れているのなら、それはそれでいいと思います。
しかし、それらのストレスを薄めるために夢を持つという考えは、努力する方向がすこし違うような気がします。
そもそも夢とは自発的なものなので、ストレス回避のために夢を持つことはナンセンスですよね。
さて、こんな長々と書かせていただきましたが、今を生きるとはいったいどんなことを言うのでしょうか。
それは、体が求めていることをすることです。
今を生きる=体の求めていること
ボールが前に転がれば犬は追いかけたくなります。
だから犬は追いかけます。
高いところがあったら、猫は登りたくなります。
だから飛び移ろうとするのです。
では、うつや自律神経失調症の方はどうすればいいのでしょうか。
例えば...
眠れない=頭は眠りたいけど体は眠りたくない。
だから起きていればいいのです。
そういう時は、体は動きたがっているので体を動かすことがいいのです。
「いや、疲れているから休みたい」という方もいらっしゃると思います。
実は、体は疲れていたら眠れます。
おそらく、このような時は疲れているのは頭でしょう。
未来や過去、様々なことを考えてしまい、頭が疲れてしまっているのです。
この時、体は何もしていないので実は疲れていません。
そうはいっても、社会で生きていると「今を生きる」ことがなかなか難しいときもあるのが現状です。
しかし、意識してあげれば、今よりも「今を生きる」頻度を多くすることは可能です。
食べたくないと思ったら、朝食を食べなくてもいいし、昼食が15時になっても構わないのです。
せめて会社がお休みの日には、今を生きてみてはいかがでしょうか。
今を生きると元気になります。
明日から「また働こう」「また学校にいこう」と思いやすくなります。
多くの仕事は義務でやっていると思います。
やりたくないことをやらされていると思います。
「仕事を好きになれ」なんて言われても無理だと思います。
好きなことを仕事にできる人はほんの一握りです。
そのため、「今を生きる=体が求めていること」なんていったら「仕事をやらなくていいのか」ということになります。
社会で生きていれば、やりたくないことをイヤイヤやることもあります。
それは社会で生きていくためにしょうがないことです。
その時に「今を生きろ」なんて言われても無理です。
ですから、せめて休日ぐらいは、意識して今を生きていきませんか。
休職や休学をされている方は、それまで、今を生きてこなかったのでストレスフルになっています。
そのため、この休める時期こそ今を生きて心身ともに回復させてください。
元気が出ればストレスへの抵抗力もつき、再度復帰できるようになれます。
慌てずに今を生きて下さい。