更新日:2020.10.13
執 筆:整体師 佐久間舞
体温を上げてウイルスに負けない体を作ろう
溶けるような暑さの夏もあっという間に過ぎて、すっかり秋が深まりましたね。
今年も残すところあと3か月ですが…振り返ってみて、かつてこれほど「体温」を測ったり測られたりした年があったでしょうか。
さて、皆さんの平熱は何度ですか?
一般的に、36度以下だと「低体温」の分類に入ってしまいます。
私も35.9度と低めなのですが、冬に手足の冷えを感じるくらいで、日常で困ることは特にありません。
では、一般的に「低体温は良くない」と言われているのは一体なぜなのでしょう?
その理由として、「血流」と「免疫力」があります。
血流によって体のすみずみまで運ばれるものには、栄養と酸素、そして「熱」があります。
体温が低いということは、熱がうまく運ばれにくい、つまり血流が低下しているということになります。
当然、同時に栄養や酸素も運ばれにくくなるので、例えば神経に十分な酸素が行き届かないことで起こる痛みやしびれなど、さまざまな不調が出やすくなります。
また、血中にはウイルスや細菌と戦う白血球、いわゆる「免疫細胞」が存在しています。
血液の流れに乗って体の中の異物をチェックしたり撃退したりしているわけですから、その流れが悪いと、ウイルスや細菌に対し免疫細胞が協同して直ちに駆除するということが出来ず、病気の発症に至ってしまいます。
つまり、「免疫力の低下」が起こりやすくなるのです。
そこで、体をあたためましょう!というお話ですが、まずは熱をしっかり運べるように、血流を改善させることが大切です。
やはり、いちばん有効なのは「体を動かす」ことです。(「結局は運動か…」というため息が聞こえてきそうですね)
運動をすると、心臓のポンプ作用が促されて心拍が上がり、動かしたい筋肉などへの血流が増加します。
また、足などの筋肉でもポンプ作用が起こり、心臓へ戻る血流が促されて全身の巡りが良くなります。
また、筋肉自体が熱を作っています。
そのため、運動量が減って筋肉量が落ちると、そもそも作られる熱の量が減ってしまい、低体温を招きやすくなります。
「在宅勤務で全然動かなくなった…」なんて話をちょくちょく耳にしますが、冷房の中で一日じっと集中していた方、体温が下がったり冷えやすくなったりしていませんか?
汗をかく機会が減ると、体温を調節する機能が使われずに低下してしまうこともあります。
さらに、運動して心拍や血圧を上げて(⇒交感神経の働き)、その後休んで心拍や血圧を落ち着かせて(⇒副交感神経の働き)というように、運動は自律神経をたくさん使うので「自律神経を鍛える」ことにもつながります。
というわけで、適度に運動をして汗をかき、血流を良くして体をあたためることが、ウイルスにもストレスにもめげない体を作っていくのです。
「暑くて動きたくない」季節は過ぎ去りました。
上手に運動を取り入れながら、寒さに負けない体で冬を過ごしましょう。