身口意の一致

更新日:2018.10.05

執 筆:整体師 道永真由己

空海が見つけた能力開発

「三密加持」という言葉を聞いたことありますか?
1,200年前に弘法大師空海が見つけた、世界で最も優れた能力開発の方法論の1つだと言われています。

身口意とは?

まず最初に、「身口意(しんくうい)」とは、以下のことを指します。

身体、行動、身体感覚

言葉、言動

心、意識、想い、イメージ


この3つを三業(さんごう)といい、三業とは、悪しき行動、悪しき言葉、悪しき心を正すという考え方があります。

不幸は三業のいずれかで構成されており、これらを密なるもの(非常に高度な働き)にシフトすることを「身密」「口密」「意密」、それらをまとめて「三密」といいます。

そして、「三密加持」とは、三密が融合し一点に集中した時、人は即身成仏の境地に至る。。。というと、なんだか宗教っぽくなり難しく感じますが、簡単に言うと、人間性が極度に高まる状態になると言われています。
そして「身口意」が、私たちの病気や健康にも大きく影響しています。

昔から、「身口意」が病気を招くと言われているのをご存じですか?
空海は、人間の脳の情報処理システムは、この「身、口、意」の3つだと気づきました。
不安、怒り等、湧き起る感情がどんなにネガティブで不幸であったとしても、この身口意のいずれか、もしくは、複合体で構成されています。

身口意の不一致で心や体に症状が現れる

例えば、体の柔軟性がほしい場合。
体が柔らかくなっているイメージをする。
「私は体が硬いから無理」と言い続ける。
柔軟性が高まる動作を力いっぱい頑張る(力むと柔軟(脱力)と逆の事をする) これは、「身口意」が不一致な状態です。

現状をより良くしていく為には、「身口意を一致させること」が必要です。
言い変えると、行動、言葉、想い(意識)が同じ方向に向いているということです。
3つが一致していない時、どこかに嘘、偽り、誤魔化している箇所がきっとあります。
身口意不一致な状態が続けば続く程、心や体に症状として表れます。

身口意を一致させる方法

自分を優しく包み込む

この時、体は症状として何らかのメッセージを送ってくれています。それに気付く為には、自分が自分に「本当はどうしたい?」「本当はどう思う?」と、あたかも子供をあやすかのように優しく問い続けてあげるのも良いかもしれません。

体と心の声を、素直に、正直に、ありのまま聞いてあげること。良いも悪いもジャッジする必要はありません。こだわらず、偏らず、優しく包みこんであげて下さい。

そして、自分がやっていること(行動)、心で思っていること(思考・イメージ)、発している言葉を観察し、1つずつ一致するように整えていく必要があります。
まずは、難しく考えず、評価もせず、期待もせず、淡々と意識してやってみる。
そして、続けてみることです。これが最初の1歩です。

憧れの人を真似てみる

次のステップとして、身口意3つを同時に使い、最終的には3つを1つにまとめていきます。

もし、理想の自分や目標(ゴール)がなければ、身近に尊敬できる人、憧れている人でも良いです。もうすでにそうなっている、あたかもそうであるかのように振舞ってみる、言動を変えてみる。
尊敬する人が自分の立場なら、どんな想い、行動、言動をするのか想像してみる。
そして、考え・言動・行動を真似してみる、演じてみる。

この身口意にブレやズレがなくなり、1つになっていることを「三密一身」、「身口意の一致」といいます。

大切なのは、「どうありたいか」、「どうなりたいか」のイメージ、行動、言動です。
まずは、子供のように無邪気に、自由に想像しながら「ごっこ遊び」を楽しんでみて下さい。

この「身口意の一致」は、人間関係、病気治し、仕事、お金等ありとあらゆることに応用できます。
秋の夜長に、ゆっくりと自分自身と向き合う時間を作ってみるのも良いかもしれませんね。


体の仕組み

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