更新日:2014.07.10
執 筆:整体師 鈴木真由美
目に見えにくい高次機能障害を知ろう
こんにちは。さて突然ですが皆さんは「高次機能障害」という障害をご存知でしょうか?
脳疾患の後遺症としてよく知られるものに知覚や運動の麻痺などがありますが、それらと異なり高次機能障害は「自分を誰だか知っている」という点で認知症とも区別されます。客観的に自分を見つめられ、自分の行動に自覚があります。
その分精神的に追い詰められやすく(分かっているけど上手く行動ができない。 分かっているけど注意が散漫になり失敗してしまう・・・)ストレスも大きく抱えやすい。
他人の言っている事も理解できた上で、上手く言葉が出なかったり、空間(立体)の認識がしづらい事により歩行が困難であったり、短期的な記憶障害により物忘れがひどかったりなど、脳の受傷場所によって多種多様な障害の出方があります。
受傷の起こりやすい部位には大脳に分類されます。
(高次の脳と呼ばれています)前頭葉低部と側頭葉が調査の報告としてあり、これらの部位に損傷があると運動麻痺はなく、何年か後に人格の障害や感情の障害などが出るということもあるようです。その為に日常生活や社会生活の中で、後に対人関係の障害に苦しんでしまうという状況もあるのです。
歩行が少しもたついたり、会話の返事につまってしまったり...。
私達が普段の生活でもよく経験する出来事だけに、その障害が理解されず軽くみられがちになってしまっている現状があります。
障害を抱える本人の辛さを「障害がある」という理解がなされないまま本人の行動をせかしてしまったり、分かっていないなど一方的に決めつけたりせず、周囲の接する人間がまずこの障害を知り理解を示すことがこの障害と向き合う第一歩だと思います。
日本では10~20年前までは、この障害をきちんと理解している医師はほとんどなく、専門的に治療が行える医療機関も極端に少なかった為に、一般の方々がこういった目に見えにくい障害があるということを知る機会というのもないに等しい状況でした。
これを読んで頂いた方々をはじめ、より多くの方々に「高次機能障害」という障害を知っていただき・理解していくことで、現在障害で泣いている人々、つらい病を担っている人々が、これから先の社会で笑顔で暮らせる世の中になる事を願って今回のテーマとさせていただきました。