梅雨の不調の原因とは

更新日:2020.06.12

執 筆:整体師 角道征史

緊急事態宣言が解除されて、少しづつの変化を伴いながらも日常生活が戻ってきましたね。
寒くて乾燥している季節よりはウイルス自体の感染力が落ちるとはいえ、新型コロナウイルスも無くなったわけではないので、油断せずにいきましょう。

梅雨とウイルス・菌

日本における梅雨の季節は、高温多湿で気温が高いと同時に、じめじめとした湿気の多い状態です。
乾燥している時季と比べると、雨が降ることが多く空気が湿気を含んでいるため、ウイルス自体が空気中に飛散することが少なくなります。
また、ウイルスの生存に適した環境は、気温15℃以下・湿度30%以下の低温乾燥の状態であると言われています。
つまり、高温多湿だとウイルス自体の生存期間も短くなるのです。

それに加えて、暑い季節はのどが渇きやすくなるために、水分の補給がしっかりと行われます。
それにより体の免疫防御機構が充分機能できる環境が整えられ、感染を抑えることができるようになります。
その結果としてウイルスの拡散が抑えられ、流行も鎮静化するというわけです。


それとは反対に、細菌の活動は高温多湿で活発になります。
梅雨の季節には、部屋がカビ臭くなったり、洗濯物の生乾きのイヤな臭いが気になったりしませんか?
それ以外にもO-157などによる食中毒の危険性も高まります。
こうした菌の活動は、気温20℃以上・湿度70%以上で活発になるので、梅雨の時季にこうした問題が目立つようになるのです。

自律神経に適した環境

ウイルスや菌にそれぞれ適した環境があるのと同様に、自律神経がしっかり働くために適した環境条件ももちろんあります。
それは、変化が少ないということです。

自律神経は体を調節する神経なので、変化が少ないことで負担が減ります。
一方、上下の変化が多いと、調節するためにエネルギーをたくさん使うので消耗してしまいます。

季節の変わり目に体調を崩した経験はありませんか?
常に暑い・寒い、ずっと天気が悪いなど同じ状態が続いている場合は意外と大丈夫なことが多いです。
しかし、急に寒くなったり、暑くなったり、天気が崩れるなど、こうした変化が体にストレスを感じさせ、自律神経に負担をかけてしまっています。

梅雨と自律神経

では梅雨の場合、自律神経の状態はどうなっているでしょうか。
もっとも負担が大きくなるのは、雨と晴れが交互にやってくるような場合です。
前述したように、気温や気圧の変化がエネルギーの消耗を加速させてしまいます。


それとは異なり、ずっと長雨が続くような場合は、自律神経のなかでも副交感神経が活発にはたらきます。
副交感神経はリラックスさせたり回復させたりする神経なので、それが優位にはたらき過ぎると、だるさや眠さ、頭痛などを引き起こします。
気象病や低気圧での不調などがこれにあたります。

ただし、こうした状況が誰にでも起こるわけではありません。
副交感神経が優位になったからといって、誰もが調子を崩すわけではないのです。
調子が悪くなるのは、すでにストレスでエネルギーを消耗していて、副交感神経をはたらかせたときに、回復が必要な状態になっているからです。

すると、副交感神経がはたらきやすい状況下で、今しかない!と回復モードに入ってしまうため、ぐったりしてしまうのですね。


自律神経が乱れるのはガス欠になっているからです。
エネルギーが足りていないことや負担がかかりすぎていることを、体は調子の悪さで教えてくれます。

自分の体の声をしっかり聴いて、自律神経をはたらかせてあげましょう。


体の仕組み

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