更新日:2014.07.17
執 筆:整体師 田島健次
1つだけではない、ドライマウスの原因
~ 「ドライマウス」vol.2 ~
ドライマウスの原因についてのお話です。
ドライマウスになる原因は、一つではありません。いくつかの要因が重なって起こる事が多いのですが、主に8つの原因が在るとされています。
日本人の糖尿病になる原因は、過食や運動不足による生活習慣によるものと言われています。糖尿病になると口や喉が乾きやすくなりドライマウスの原因となります。その原因は、体内の浸透圧が関係していて、糖を含んだ尿が排出され、浸透圧の作用で尿が大量にでるため、身体の水分が減り脱水症状になるため口の中も乾きやすくなりドライマウスの原因となるのです。
他に腎不全で腎臓の機能が働かないため、尿が出ないため水分を、取る量が制限され口の中が乾き、ドライマウスの原因になる事もあります。
口腔内や顔面のガンの治療で、放射線を受けた場合にドライマウスの原因となることがあります。放射線により唾液腺が破壊されたり、障害を受けたためにドライマウスが起こるのです。
脳血管障害は、脳卒中と同じ。脳卒中は、身体が麻痺状態になる事があり、口腔も麻痺するので噛めなくなり唾液の分泌量が減少するため、ドライマウスの原因になる事があります。
高齢者の場合は、糖尿病や薬の副作用と老化だけでは、なく他の要因の影響でドライマウスの原因になりやすいですが、年を取る事により体内の水分量が減るために、引き起こされる事がおおいです。高齢になるとシワが増えるのは水分量の低下が原因です。
抗うつ薬、抗不安薬、向精神薬、抗パーキンソン薬、抗高血圧薬、抗ヒスタミン薬、利尿薬、抗コリン作用薬、抗けいれん剤、鎮痛剤、気管支拡張薬。この様に、ドライマウスの原因を引き起こす薬剤は沢山あります。薬は、脳の神経やホルモン物質を鈍化・麻痺させたりするため、唾液の分泌が働きづらくなるため、ドライマウスを引き起こします。
自律神経は、内臓の動きや体温・血圧・ホルモン・免疫など、身体に重要なものを調節しています。そこをコントロールしているのは、脳幹の視床下部です。大きさは親指の先端ぐらいで重さ10g、左右2個あります。
身体の恒常性(ホメオスタシス)を維持するための司令塔で、脳下垂体からの分泌されるホルモンの調整もしています。
自律神経を乱す原因は、ストレスとはすでにお伝えしていますがストレスを具体的にすると以下のものに分けられます。
これらのストレスが一時的なものでしたら自律神経が乱れることは少ないのです。しかしストレスを強く受けていると視床下部で交感神経が働き身体が緊張状態になり血管を収縮させます。これが慢性的に続くことにより、脳内で血行障害が起きます。すると、視床下部に十分な栄養と酸素が来ないため、誤った判断をして更に交感神経を過剰に緊張させ副交感神経を働かなくします。
最終的には心も体も休む事ができなくなる悪循環に陥ります。これが自律神経失調症です。そして悪化していくことでうつになっていきます。
自律神経が乱れ唾液分泌が上手く行われないため口が乾き、ドライマウスの状態になるのです。
※ストレスの度合いをチェックしたい場合は「ストレスチェック」のページが便利ですのでご活用ください。
現代人は噛む回数が極端に減っておりドライマウスになりやすい傾向にあります。日本人の噛む回数は、戦前は1400回位だったのが現在は600回位に減っているようです。原因は、忙しく食事に時間をかけていられないのと、ジャンクフードを代表とした食べやすく柔らかい食べ物が、支流になった為だと言われています。
固い食べ物や噛む回数が減って、咀嚼筋などがお捉えたり唾液の分泌が減ったりしたため口の中が乾きやすくなりドライマウスの原因になるのです。他にも顎の発達にも影響して永久歯が生えてこなかったり、顎関節症になりやすくなり、早く食べる事により、満腹中枢が刺激されず、食べ過ぎてしまい肥満にもなりやすいです。
シェーグレン症候群とは自己免疫疾患のひとつです。目の乾きと唾液の分泌低下が主な症状です。推測で日本では、50万人の患者さんがいると言われています。
シェーグレン症候群の原因もストレスです。自己免疫疾患とは、身体に侵入してきた異物を攻撃する免疫システムが機能しなくなる病気で、自分自身の組織を敵と見なし攻撃してしまうのです。
ドライマウスは、唾液腺を自分のリンパ球が攻撃してしまうために起こります。 他にも、外分泌腺の涙腺や鼻腔、消化器におよび胃液の分泌液低下により胃炎などがおこり、分泌液低下以外にも全身の倦怠感、発熱、指のしびれなどの抹消神経障害や関節リウマチの人もいるようです。
※以上、ドライマウスの原因についてお話していきました。次の「ドライマウスの治療法」のページで、症状を改善させるための治療法や、対処法についてお伝えしていきます。