症状は闘うと治りにくくなる

更新日:2018.06.15

執 筆:整体師 佐藤優

日々の臨床で、症状が治りやすい人と治りにくい人がいます。
その違いは何なのか。ずっと気になっていました。
それがわかってきました。

それは、「症状と闘っている人は明らかに治りにくい」ということです。

ん??と思われる方もいらっしゃるでしょう。
どういうことなのでしょうか?

それは、交感神経がずっと働き続けるからです。
闘うか逃げるか、これが交感神経です。
闘っているうちは交感神経が働き、症状を治すための副交感神経の出る幕がないのです。

以前のブログ「問題(症状)は意識すると悪化する?!」でもお話していますが、大事なことですので少しニュアンスを変えてお話したいと思います。

不眠の方の例です。
眠れなくてイライラしてくる、もしくは夜に近づくと眠れないのではないかと不安になってくる、という方がいます。
このイライラや不安は、交感神経の働きです。
これで眠りにくくなるのはむしろ自然なのです。

「症状=敵」
この状態を続けている限り、残念ながら症状は長引くでしょう。

そもそも症状とは何でしょうか?
体が勝手に、気まぐれで出しているものでしょうか?

決してそんなことはありません。
もし体が意地悪で症状を出しているのであれば、自然治癒力という力があるのはおかしいですね。
症状には、必ず体からのメッセージが込められているのです。
症状には、意味があるのです。

そして、怪我や病気全てに共通するメッセージは、一時停止です。
一旦止まってください!ということです。

なぜ一旦止まる必要があるのか?
それは人それぞれです。
自分にとってどんな不都合があったのかは皆違うからです。
もし、症状は悪者ではない、何かしらのメッセージがあると思えた時、症状との和解が始まり、改善のサイクルへと入っていくことでしょう。


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