怒りは体にどう影響する?

更新日:2023.10.02

執 筆:整体師 鈴木頼子

「怒りで身が震える」なんていう言葉がありますが、実際怒りが大きな時というのは手足が震えますね。

今回は怒りが体に及ぼす影響と、怒りのコントロールについてお話しします。

怒りが体に及ぼす影響

怒りが大きな時というのは手足が震えます。
ひどい場合だと倒れてしまう人もいます。

これは、交感神経が高ぶることにより、血管が収縮してしまうからです。
血管が収縮すると血球が破壊されてしまうため、血液がドロドロになっていきます。
ドロドロの血液は流れが悪いため、末端まで行き届かなくなり、それが震えや失神の原因の1つになります。

それだけでなく、怒ることでホルモンの調整機能が悪くなることもわかっています。
自律神経の交感神経が高ぶると、体を活動モードにするために、ドーパミン、アドレナリンなどに代表される様々なホルモンが分泌されます。

しかし、ホルモンの出すぎというのは、体にとっても大きな危険をはらんでいるのです。
それは、このようなホルモンには「フィードバック機能」というのがあり、沢山出すぎると、今度はその反動で必要な時にホルモンが出にくくなってしまうのです。

パーキンソン病などは、怒りが全ての原因ではないですが、このドーパミンの不足した状態だというのは皆さんもよくご存知ですね。

怒りをコントロール

人間には喜怒哀楽があり、怒りが出てくることは当たり前ではありますが、過ぎたるは及ばざるが如し、で、いつもイライラしてばかりいるのは良いことではありませんね。
しかし、そうはいっても、そうすぐにやめられることではない、と思う方も多いでしょう。

そんな時手っ取り早いのが、笑顔を作ることです。
怒っているときは眉間にしわが寄ったり、口角が下がったりして、しかめっ面になってきますね。これは、筋肉の緊張を高めている状態です。
逆に、眉間を広くし、口角をあげる、これだけでも、副交感神経が働くことが様々な研究でわかっています。
これは、自然に出る笑顔だけでなく、作り笑顔でも同じような結果が得られる事がわかっているのです。凄いことですね!

また、笑うことで副交感神経が高まることによって、免疫力も高まりますから、病気しにくい体になる、または病気の改善としても笑顔は有効になります。

ただ、わかってはいるけど、ついつい口角が下がってしまいがち。
これも、鏡をみたら口角をあげるなど、毎日の練習をしていくことが大切です。

その他の方法としては、自分を客観的にみる練習をしていくことです。

怒りが出てきたら、肩の力を抜いて、まずは深呼吸を7回!
よく深呼吸を3回して、気持ちを落ち着かせる、などと言いますが、緊張状態が続く現代人には、3回では効果があまりありません。ですので7回ほどゆっくり呼吸をしましょう。

そして、少し冷静になったところで、なぜ、いま怒っているのだろう、怒る必要はあったのだろうか、などを客観的に見ることです。
怒った自分をスポーツの放送のように実況中継するのも効果的ですよ。

怒りで体をむしばむことのないよう、笑顔ですごしましょうね!


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