更新日:2015.07.21
執 筆:整体師 高木裕司
睡眠障害と眠気のメカニズムを知って、ぐっすり眠れるようになりましょう
~ 「不眠症が改善する理由 ~不眠症を知って、快適な日々を送ろう~」vol.3 ~
睡眠障害と眠気のメカニズムを紹介しております。
多くの人が寝るためにお酒の力を借りますが、これは本当に良い事なのでしょうか?
アルコールが入ると入眠しやすくなるのは本当です。
これは神経を興奮させる神経伝達物質をアルコールが抑制するためです。
しかし、それ以外はデメリットの方が多く、トータルで考えると、寝酒を飲むと睡眠全体の質を落としてしまいます。
一つ目は、寝酒を飲むと、トイレに起きることが多くなるためです。
本来、睡眠中は睡眠を継続させるために尿の量を少なくするホルモンが働くのですが、アルコールがこの働きを阻害してしまうのです。
お酒を飲むと睡眠の前半は良いのですが、アルコールは割と早く肝臓で分解されてしまうので、後半では睡眠が浅くなってしまいます。
二つ目は、寝酒を飲むと、いびきでのどが塞がれるためです。
お酒を飲んだ後、いびきをかく人がよくいますが、これはアルコールがのどの筋肉を過剰に緩めて、気道を塞いでしまうからです。
このとき、体は低酸素状態になりますから、当然心臓に負担が掛かってしまいます。
睡眠のリズムを整えると言われているホルモンのメラトニンは、大体寝る一時間ぐらい前から脳の松果体という部位から分泌されます。
メラトニンは、朝、太陽の光を浴びると活発に働くと言われていますが、夜寝る前に必要以上の光が入ってくると、逆に松果体から分泌されなくなります。
特に青色の光に反応しやすいので、入眠しやすくするには、寝る数時間前からやや暗めのオレンジ系の明かりに切り換えるのが良いでしょう。
また、メラトニンはトリプトファン→セロトニン→メラトニンという順序で作られるので、トリプトファンの沢山含まれている大豆食品を多く摂るのも良いでしょう。
セロトニンが不足するとうつ症状が出やすくなると言われていますが、セロトニンが不足すると、当然、セロトニンから生成されるメラトニンも少なくなるので、睡眠が悪くなるのです。
それでは、最後に「不眠症を改善させる八か条」をご紹介しましょう。
第一条:睡眠時間の長さは個人差があるので快調ならば問題ない。
(睡眠時間が短くても、ストレスに感じる必要は無い)
第二条:仮眠は午後三時前までに20~30分ぐらいで。
第三条:同じ時間に毎日起床すること。
第四条:朝に太陽光を浴びて良い睡眠リズムを。
第五条:カフェインなどの刺激物を遠ざけること。
第六条:入浴はぬるめの温度でゆっくりと入る。
第七条:寝酒はかえって不眠の元。
第八条:規則的な運動習慣は睡眠の質を向上させる。
普段から不眠気味な方は、このようなことを念頭に置いて生活されると良いでしょう。
これらをしっかりと守りながら生活しても不眠が改善されない場合は、専門家に相談されることをお勧めします。
参考文献