「こうあるべき」の弊害

更新日:2019.03.15

執 筆:整体師 佐藤優

最近、患者さんとお話をしていて感じることがあります。
それは「こうあるべき・こうあってはならない」という思考が必要以上に多いということです。

  • 時間・約束は守るべき。
  • 人を傷つけてはいけない。
  • 挨拶はするべき。

こういった「こうあるべき・こうあってはならない」というのは、社会のルールでは必要ですね。

しかし、個人的な部分でも「こうあるべき・こうあってはならない」が多いことで、無意識にストレス状態になっている方が多くいらっしゃいます。

例えば、
朝、「起きなきゃ!」というのと、
今日は「あれをやるために起きよう!」というのではまるで違います。

私たちの脳は、目的が無いことをするのを苦痛に感じます。

  • 人より優れているべき。
  • 人には頼ってはいけない。迷惑をかけてはいけない。
  • 嫌われてはいけない。好かれるべきだ。
  • 人に認められなければいけない。

これらは、一見こういうものでしょ?と言う価値観ですね。

果たして本当にそれは自分に当てはまる価値観なのでしょうか?

多くの場合、これらは自分の価値観ではない、他の外部の価値観です。
「こうあるべき」という義務感で生きていることになります。

するとやがて、

  • 仕事に行きたくない。
  • 朝起きたくない。
  • 勉強が嫌だ。

という状態に陥っていくことになります。
つまり、自分で生きているというよりも、他の何かで生きている感覚になるのです。
一日24時間のうちのほとんどが義務で苦痛な時間であれば、意欲的なエネルギーは湧いてきづらくなりますね。

もし、あまり気力が湧かない方は、「こうあるべき」が多くなっていないかチェックしてみることをお勧めします。
こうあるべきということを10個書いて、1つ1つ「?」マークをつけてみてください。
それは果たして本当に義務なのか欲求なのかを点検してみることをお勧めします。

義務になっていることが、5つ以上あれば要注意です。
日常の他の行動も義務の可能性が大きいでしょう。
何のためにやっているのかを再度見直すことをお勧めします。


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