プレイヤーズファーストの心

更新日:2018.02.09

執 筆:整体師 佐藤優

今回は、最近感じたことについてお話したいと思います。

スポーツでは、「プレイヤーズファースト」という言葉があります。
これは、競技に出ている本人を一番に尊重しましょう、という理念です。

いきなり私の話で恐縮ですが、私は少年サッカーのコーチをさせていただいており、そこでよく見る光景があります。

監督やコーチ、父兄の方々はやはり、それぞれお子さんに対して期待する気持ちがありますので、その期待の気持ちを選手たちに重ねて、競技中に怒ったり、非難したり、大声をあげるといったことをしてしまいます。

私も子供の頃の試合で経験がありますが、周囲のそういった大声は選手の創造性をくじきます。

頭の中が一瞬真っ白になるのです。
「違うっ!!そこはパスだろっ!!」とか、「そこはパスじゃない!自分で勝負しろ!!」とか、「なんでお前そこ行かないんだ!!」など、これをかなりの大声で繰り返し公に言われるのです。
子供はどう思うでしょうか?

それで分かる子もいます。
ですが、8割以上の子供は言われたことを理解して修正できません。
これは、試合後に「試合中に言われたことが分かった?」と確認してみれば分かります。
案の定、理解出来ていません。
理解できていないどころか、気持ちが萎縮して顔が引きつっていることさえあります。

この状況は、プレイヤーズファーストをどこかに忘れてしまっています。

試合を実際にしているのは、大人ではなく子供です。
皆さんは子どもの為に声をあげているのだとは思うのですが…どうでしょうか。 (正直私にはそうは見えない、というのが本音です)

これは子供や選手に限らず、人は皆それぞれプレイヤーズファーストのはずです。 それぞれの人が自分の人生を生きています。
誰かの人生でもなく、誰かに歩まされている人生でもありません。 紛れもない100%その方の人生です。

私たちは、ついつい人に対しての期待をしているんですね。
旦那さんや奥さん、子ども、周りの人に対して期待をしていると思います。(これくらいはできるでしょ?など)
その期待を重ねてしまう気持ちもわかります。

その人の為に…という前置きがあったとしても、言われた当の本人は、その場でそういうことは汲み取れません。
非難された怒られたと認識します。
私のために言ってくれているんだ!感謝!とはなりにくいでしょう。
(もし、私のために叱ってくれているという認識ができるのであれば、その方がとても成熟しているか、言ってくれた方との信頼関係がしっかりと結ばれているのでしょう)

一時的な感情での指導や指摘は、なかなか人は聞き入れません。
むしろ反発心さえ生まれます。
私の意見など御構い無しに、自分の意見ばかり言われて…と。

みなさんは、相手に本当にわかってほしいことがあった時、どのように伝えるのでしょうか?
感情に任せて怒鳴るようなことをするでしょうか?
きっと寄り添いながらじっくり話をしてわかるように伝えるのでしょう。

親や学校の先生、医者やコーチなど周りの影響力のある人は、特にこのプレイヤーズファーストがとても大事なのではないか、と色々な方と接していて感じるのです。

自分の期待はそっとそのままにしておいて、そのプレイヤー(まさに生きているその人)を尊重すること、これがその人の一番の栄養になるのではないかと思うのです。(自信・自己肯定感へとつながります)

今、症状に困っている方。
その中で、もし他人の目が気になってしまう方や、職場や家庭の環境などの影響を受けて、自分の意見や、やりたいことなどを見失ってしまっている方。

「今の自分。誰でもない自分の人生」ということを少し見直してみていただけたらと思います。

どうしても自分を大切にできない、という方は是非先生に相談してみてくださいね。

プレイヤーズファースト。
自分を大切に。そして人も大切に。
こんな風に私もいたい…。(笑)


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