更新日:2021.02.19
執 筆:整体師 角道征史
これまでに、脳は、体の脳・心の脳・頭の脳と三層構造になっているということをお伝えしました。
それに見合った欲求や幸せを人は求めるということでしたね。
今回は、三大欲求のうちの性欲と、恋愛、男女の違いについてみていきましょう。
人間の三大欲求には睡眠欲・食欲・性欲がありますが、性欲だけは、満たされなくても命に別状はありません。
ただ、個体としての命にはかかわりませんが、子孫繁栄という観点では問題が生じてきます。
種が存続しなければ、全体として絶滅してしまうので、そうならないように性欲が遺伝子レベルで組み込まれているのですね。
性欲は種の繁栄を目的として生じるものなので、適切な時期を迎えると、異性を求めるようになります。
そしてその対象となる異性は、子孫の繁栄を約束してくれるような、条件に見合った相手が対象となります。
男性ならば、家族を守るために必要な、生物としてのたくましさの感じられる体格、力強い言動、そして包容力が求められます。
女性ならば、コミュニティにおける円滑なコミュニケーションと、さらには健康的に子育てができるような体つきが望まれます。
こうした条件に見合う異性に惹かれるように、遺伝子的にプログラムされているのですね。
男性の場合、不良、お笑い芸人、タレント、スポーツマン、医者、社長などがモテるのは、趣味嗜好の問題以前に、女性が遺伝子レベルで欲しているからです。
生き残っていくために必要な、守ってもらえる力強さが感じられるから、求めてしまうのですね。
女性の場合に、同性からは不人気な、ぶりっ子タイプ(死語!?)や笑顔の多さ、おっぱいやお尻の大きいことが好まれるのも、趣味嗜好に合っているからではなく、子孫繁栄を求める遺伝子レベルの問題です。
性欲が高まるのと同時期に、恋愛感情も高まっていきます。
人間は他の動物とは異なり、生まれてからしばらくは独り立ちすることができません。
人間の子どもは親が世話をしないと、自分一人だけでは生きていくことができないのですね。
つまり、ある程度の期間、子どもの世話をするシステムを築いておく必要があります。
性欲が高まって、それを満たして終わり、では子孫の繁栄につながりません。
種の繁栄のために子どもを育てられるよう、関係性を強く持っておくために、両親の恋愛感情があるのですね。
子どもがある程度自分で動けるようになるまでは、家族というコミュニティを維持する必要があるので、恋愛感情は3年程度続きます。
子どもを育てるためにも、他の異性に目移りしないためにも、恋は盲目状態を作っておく必要があります。
ドーパミンをドバドバ分泌することで、恋愛モードを作り出し、恋人と触れ合うことでオキシトシンをガンガン分泌します。
幸せホルモンの大量放出によって、恋愛期間を作り、初期の家族関係を築くことが、種の存続にとって、それだけ大切だということなのです。
そしてこの恋愛期間を経過すると、倦怠期という名の安定期を迎えます。
ラブラブな状態が続いていけばいいのですが、恋人間でも夫婦間でも、ストレスが増大してけんかになってしまうことが多々あります。
それは性差による特性の違いに原因があることが多いのですね。
子孫繁栄のシステム上、男性と女性には明確な役割分担があります。
男性には、生き残るための力強さや行動力が求められるために、問題解決を優先するという特性があります。
反対に女性は、コミュニティ内で円滑な人間関係が求められたために、共感力が中心になります。
この違いがお互いに理解できていないために、ストレスを増大させてしまいます。
女性は話を聞いて、わかって(共感して)欲しいだけなのに、男性は意見を言ってしまう(問題解決)ため、私のことをわかってくれない、と、けんかになってしまうのですね。
親しい間柄だからこそ、お互いを理解して、ストレスの少ない生活をしていきましょう!