自律神経の働きやすい環境を整える

更新日:2020.08.21

執 筆:整体師 角道征史

長い梅雨からの酷暑、ホント体に響きますよね。
こうした変化が非常に大きいときは、ストレスのレベルもかなり上がり消耗度も格段に増すため、それに対してのケアを十二分に行っていきましょう。

自律神経とは何か

この気温の変化などに体を適応させているのは、自律神経の働きです。
血管を拡張して発汗を促し、体内の熱を放熱することで、暑い夏でも体温を一定に保っています。

そのほかにも、生命活動を維持するために様々な調整を行っています。
呼吸を調節し、血圧を調節し、脈拍を調節し、消化活動を調節することによって、生きることが出来るようにしてくれているのですね。

交感神経と副交感神経をその都度バランスを取りながら、活動したり回復させたりと生命活動をコントロールしているわけです。

司令塔である視床下部の働き

生命のコントロールをしている自律神経ですが、そのなかでも司令塔的な役割を果たしているのが、間脳の中の視床下部です。
この視床下部は、自律神経の中枢であると同時にホルモン分泌の中枢でもあり、さらに食物摂取の調節・恒常性の維持・生殖調整・排泄調整・生体リズム調整・情動の発現なども司っています。
またその隣に位置し深い関わりのある視床は、すべての感覚の中継地点であるため、痛みや体の動きにも深く関係しています。

自律神経が乱れたときの影響

ストレスが増えてエネルギーが不足し、自分に余裕がなくなってくると、自律神経のコントロールもうまくできなくなってしまいます。
すると、以下のように様々な症状が現れることがあります。

  • 呼吸が乱れて息苦しくなる
  • 血圧が乱れて高血圧や低血圧になり、酸欠からめまいやしびれが起きたり、朝起きれなくなる
  • 体温調節ができずに、低体温から風邪をひきやすくなったり、微熱や熱っぽさ、だるさが起こる
  • 脈拍調節が出来ずに動悸が起こる
  • 消化活動の不調から、下痢や便秘、IBSなどに繋がる

また、自律神経が乱れたときは司令塔の視床下部の働きが悪くなるため、以下の症状も引き起こします。

  • ホルモン分泌が悪くなるため、イライラしたり、ソワソワしたり、やる気が出なくなったり、ハイになりすぎたり、精神面での異常がでる
  • 食物摂取に影響して、食欲不振や過食になる
  • 恒常性の維持が出来なくなり、様々な調節ができなくなる
  • 生殖調整力が低下して、妊娠しづらくなったり、EDになったり、性欲を抑えられなくなる
  • 排泄調整できずに、頻尿頻便に繋がる
  • 生体リズムの調整が出来ずに、睡眠障害が起きる
  • 情動調節ができずに不安が抑えられなかったり、怒りが爆発したり、泣いてしまったりする

さらに、視床下部の乱れは視床にも影響します。

  • 痛みを感じやすくなったり、体に力が入らなくなったりする

このように、自律神経のバランスが乱れることで、原因不明と言われる様々な症状が引き起こされていくのですね。

自律神経をコントロールするために大切なこと

エネルギーの不足から自律神経が乱れてしまうので、エネルギーを生み出すためのガソリンとして、酸素・水・三大栄養素・ビタミン・ミネラルはしっかり補給する必要があります。
そして効果的な補給のために重要なのが、睡眠と運動です。

また、ストレスが過剰だとエネルギー補給よりも消費のほうが多くなって、自律神経は乱れてしまいます。
なので、自律神経をしっかり働かせるためにはストレスを減らすことが大切です。


とりわけ注意して欲しいのが、ギャップをなるべく作らないことです。
自律神経は調節の神経なので、変化が大きいことで疲れてしまうのですね。

そのギャップを減らしていくためにも、空腹時の甘いものを控えて、血糖値の急上昇急降下を防ぐことや、エアコンの効かせすぎ・冷たい飲食物を避け体を冷やしすぎない、元気になったからといってやりすぎないといったことも重要です。

急に暑くなりましたが、ギャップをなるべく少なくして乗り切っていきましょう。


うつ・自律神経

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