自分らしく生きる

更新日:2021.06.18

執 筆:整体師 角道征史

心の脳の欲求の次の段階は、頭の脳の欲求になります。
今回は自分らしく生きるということについてみていきましょう。

承認欲求

人は他人に認められることによって幸せを感じることができます。
身近な存在である親やパートナーからだけでなく、周りの人や、知らない人からであっても、認められたり、評価されたりすることはうれしいものです。

ただ、認められることがうれしいからといって、他人に認められること中心の生活をしてしまうと、周りに振り回されて苦しくなってしまいます。
「いいね!」をもらうために頑張ってSNSに投稿していても、苦しくなってやめてしまうのはその典型ともいえるでしょう。

また、自慢話が多いのも承認欲求の現れです。人にアピールすることによって認めてほしいのですね。
ブランドものや流行もの、高価なものばかりそろえるのも、承認欲求のなせる業かもしれません。
そしてさらには、他者承認を得るために、いろいろ引き受けて頑張ってしまい自律神経が乱れる…思い当たる方も多いのではないでしょうか。

このように、必要以上に承認欲求が強くなると、どこかしら問題が生じてしまいます。

嫌われる勇気

日本人の気質として、和を乱さない生き方が暗に求められているところがあります。
それは、出る杭が打たれたり、いじめが起きたりするところにも見受けられます。

また、新型コロナ騒動で、マスクがたいして役に立たないと思っていても、マナーとして身に着けておく、というのもその一環です。

そうした日本人であるからこそ、周りの目を必要以上に気にすることも多く、他者の承認を求めて、人に依存する生き方になりがちです。

しかし、あなたは親のために生きているのではありませんし、パートナーのために生きているのでもありません。
ましてや上司のためや、赤の他人のために生きているのでも当然ありません。
あなたの人生は、あなた自身のための人生です。

アドラー心理学によると、承認欲求の奴隷とならない生き方が推奨されています。
まさに「他人」の期待を満たすこと中心の生き方をしてはいけないというのですね。
そのためには、課題の分離をして、他人の課題と、自分の課題をしっかり分けて考える必要があるということです。


ワクチンを例にとって見てみましょう。
本来ワクチンを打つ、打たないは個人の自由であり権利です。
ところが、職場によっては同調圧力によってワクチンを打たなければいけないかのような雰囲気があったり、打たないときには辞めさせられたりします。

本当は副反応が怖いから打ちたくないけど、同居している親のことを考えて…という人もいます。

和を乱さないようにするということが前面に押し出されたり、他者のことが自分の選択に影響したりしてしまうのですね。

ワクチンを打つ、打たないは自分の課題です。周りがその判断に対してあれこれ言うのは、周りの人たちの問題であり、それは自分にはどうすることもできません。

すべての人の承認を得ること、好かれることは不可能です。
他者承認がダメなわけではありませんが、他者承認中心の生き方では、自分を押し殺すことになり、自分らしく生きることができません。

自分らしく生きる

マズローの5段階目の欲求、自己実現の欲求は、自分にしかできないことを成し遂げたい、自分らしく生きたいというものです。
自分らしく生きるとは、できる能力があり(体)、好きという情熱があり(心)、価値観が合った(頭)生き方になります。

能力がなければ、自己実現できません。
そしてたとえ能力があったとしても、気持ちが伴わなかったり、価値がないと思ったりでは、幸せでないのは言わずもがなでしょう。

体が幸せになり、心が幸せになり、頭が幸せになる。
三拍子そろった自分らしい人生。

他人の人生を生きるのではなく、他人に振り回されるのでもありません。
満足して最期を迎えることのできる、充実した人生にしたいものです。


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