更新日:2017.09.28
執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人
あなたは「愛着」という言葉をご存知でしょうか?
ここでも何回かお話ししたことはありますが、愛着とは、簡単に言いますと、母親・ペット・ぬいぐるみなどに、慣れ親しむ気持ちのことを指します。
そして、そこから発展して、愛着とは、人との関係性において「基盤となる心」というと分かりやすいでしょう。
小さい頃の愛着形成は大切
つまり、愛着が形成されていると、人との関係において安定的な心を持つことになります。
逆に愛着の形成が不十分だと、人との関係において過剰に不信感を持ったり過剰に不安を感じたりします。
もちろん、適度な不信感や不安感を感じることは自分を守るために必要なのですが、過剰にあると"生きにくさ"を感じてしまいます。
この愛着の形成において、養育者(通常は母親)の態度は非常に重要になります。
簡単にいうと、養育者が自分にとって安全で安心を感じさせてくれると愛着は形成されやすいのです。
そのため、お子さんには愛を持って接してくださいということになりますが、そんな簡単にはいかないのが育児の現実です。
私も小さい子供が2人いますが、まぁ、大変です。言うことは聞かないし、時間がない時に限って余計なことをしてこちらを焦らせます。
そんな時に心に余裕をもって...などと思いますが、余裕がないからイライラするのであって、余裕があったらそもそもイライラしません。
本当は愛情を持って育てたい、でもなんかイライラすることも多い。
こんな時、どうしたらいいのでしょうか?
この答えにはなりませんが、あるラットの実験で面白い結果が出ていますのでそれをお伝えさせてください。
実験
すると、いつも以上に母親ラットが赤ちゃんラットを舐めます。
この状態を数週間続けます。
その結果、ずっと母親のそばにいる赤ちゃんラットと比べても 引き離されたラットの愛着は何ら問題ない状態だったそうです。
つまり、たまには子どもと離れた方が、母親は子供にいつも以上に愛情が湧き、その愛情を子供は感じて愛着形成がされるということが推測されます。
もちろんこれはラットの実験ですので、全てが人間に当てはまるかは疑問ですが、人間も同じような気がします。
自分の時間も大切に
つまり、あまり子供にべったりですと、愛情にメリハリがなくなるのかもしれません。
1日のうち、少しの間は子供から離れて自分自身のために時間を使うことが必要な気がします。
そして「あの子、大丈夫かしら」と思うぐらい時間が経つと、愛情がわき上がってくるのでしょう。
「子供のために」と思いすぎて自分を犠牲にしすぎると、ストレスを強く感じます。
すると自律神経は生命の危機を感じて交感神経のスイッチが入ります。
交感神経のスイッチが入ると、交感神経の感情である怒りやイライラや不安を感じやすくなります。
通常父親は、昼間は外で仕事をしているので家に帰った時に子供の顔をみて癒されたりしますが、母親は1日中、つきっきりの方も多いですから夜には愛情よりもイライラや疲れを感じている方も多いでしょう。
私は男性なので母親の気持ちは推測でしかありませんが、ラットの実験を知った時、なんとなくシックリ来るものを感じました。
愛着形成はストレス抵抗力を高めるため、うつや自律神経失調症になりにくくなりますのでお伝えさせていただきました。